オーストラリアの底辺プログラマーから社長の信頼を手に入れるまでの経緯

こんにちは、うめ太郎です。

オーストラリアで永住したければビザが必要です。ビザのためには社長から仕事ができると信頼を得なければなりません。

ボクはワーホリからオーストラリアの現地企業にプログラマとして入社しましたが、はじめの数日間は人間として扱ってもらえず苦しみました。

最終的に会社(社長)から信頼を得られたきっかけは我慢や忍耐など継続できる力だと思います。

今回はこれからオーストラリアで永住権を目指す人が知っておきたい現地就職の現実とその克服方法についてボクの実体験に基づいて書いていきます。

現地企業に就職するために苦労した話

オーストラリアでプログラマの仕事を見つけるには苦痛をともなう就活がありました。

まず就活と言っても就労ビザをサポートしてくれる会社がターゲットになるのでとにかく応募するわけです。

英語ができない分、行動力で補おうとしたわけですがおおよそ300社くらいにレジュメを送りました。

その際に、ビザのことは触れません。自分がワーホリということも触れません。とにかく面接までこぎつけようと応募しまくる毎日でした。

200社を超えたあたりから何件か電話面接が始まり、300社を超える頃には電話面接も10回ほどになり、うち3社から面接したいと言う連絡に。

関連記事:オーストラリアで就職するのに必要な努力の量。ゼッタイに就職したい人向け

トライアルの内容が難しすぎる

最終的にプログラムの腕を見るということで1日トライアルまでこぎつけたのは1社だけでした

求人の応募はパースのエリアで全部やりきっていたのでその1社しか希望がなく、背水の陣で挑みます。

日本では超マイナー言語で聞いたことすらない技術。開発どころか言語の仕様書を読むところから始めたわけです。

トイレもいかず、お昼ごはんも取らず、ひたすら仕様書とコーディングの仕方を調べて仕事に打ち込んだ1日。

当然、経験したことがない言語を使って開発するわけですから進捗がはかどらない。ついには完成させられず、「永住の夢が・・」と言う以前にプログラマーとして恥ずかしいというか悔しかった

これでもボクはプログラマとして10年の経験があるわけで、仕事ができなかったことなんてない。俺の力はこんなものなのか。と悔しくて悔しくて、社長に話して仕事を家に持ち帰らせてもらい、毎日13時間ほど開発を続けました

なんとか週末に形まで持っていき社長に提出。
社長はボクの仕事に対する情熱を評価して採用してくれたんですね。

オーストラリアの会社に就職するのは甘くないです。

  • 英語が話せない=口でカバーできない

ので別の部分で補う必要があるでしょう。

初めの3日間は人間扱いされなかった

英語ができないと正当に能力を評価してもらえない

やっと入社できたわけですが、同僚からまるで虫けらのように扱われるわけです。

「差別が」とかそういうのではなく、言葉が話せないので言いたいことが伝わらない。いくら熱弁しても話を聞いてもらえない

ボクが説明しても全無視なわけでかなりストレスが貯まりましたね。

社長もボクのことをただのロボットだと思っているのか、話を聞いてくれません。

同僚の開発者に仕事を進める上で質問するとボクの質問を完全に無視。しかも全然関係のない説明が始まる始末。

おいおい。なめてんじゃねーよ!

と思うのが人の心。社長に彼女の説明は回答になっていないと伝えると、社長は「お前が無能だから」だと言わんばかりに「考えろ」の一言。

ただ、ここで怒ると永住権の先がなくなるので忍耐。

反論せずにじっと話を聞いて仕事に打ち込んだわけです。

英語社会で働くには英語力が必要です。いくら技術力があっても英語が話せなければ優秀だと認めてくれない現実があるんだと思いました。

最近では永住権が狙える就労ビザを取るのにIELTS5.5必要ですが、実際にそれくらいないと会話ができません。

英語力は少しでも身につけていたほうがいいですね。しかも勉強の効果がでるまで時間がかかるので早めの対応が必要です。

ブラック企業の社長だった

「オーストラリアの働き方は毎日定時あがり。残業なんてないよ〜」とよく聞きますがそれってホワイトな会社だけの話。

ボクが就職した会社は完全にブラック企業でした。つまりブラックな社長なわけ。

欧米の方々は何事に対しても性悪説で考えると言われますが、ボクのパソコンはTimeDoctorと呼ばれる監視ツールがインストールされていて、定期的にボクのモニター画面が社長に送られるわけです。

さらに、開発室は監視カメラが動いていて何故かカメラの方向はボク。

社長はボクのことをまったく信用していないわけ

しかも、定時になったので家に帰ろうとすると監視カメラで帰宅準備をするボクの動きをみて、社長が突如出現。これでもか!というくらい進捗確認が入ります。

つまり社長は帰りにくい雰囲気を出すわけです。理由を説明しても納期が近いの一点張り。その納期はウェブプログラミングをしたことがない社長のどんぶり勘定で見積もりをした10倍過小評価されている納期なわけです。

やっと家に帰れたと思ったら社長からメールや電話のオンパレード。

オーストラリアにもブラック企業はあります。景気が悪くなっているので就職できるだけでもありがたいと思いビザを取るまで辛抱するのが必要だとボクは思い耐えました。

関連記事:オーストラリアのブラック企業。もう何がブラックで何がブラックでないのかわからない。

忍耐や我慢は信頼を積み重ねていく第一歩

ネットやYouTubeではオーストラリアの現地企業で働くスタイルが美化されていると思います。

実際は、会社も従業員もお互いが、利用し合う謀略の中で働いている感じでした。

モラル的にストレスが貯まる会社もあります。納得できないこともあります。苦しいことや腹が立つ事、納得できないことを耐え忍びながら仕事の成果を出していく。

戦前の山本五十六(やまもと いそろく)大将が「男の修行」という言葉を残しましたがまさにそのとおりだと思います。

英語が話せない、コミュニケーションが取れない。その結果、誤解されたり悔しい思いもしますが、それらを耐えて明日に向かって前向きに頑張れるとある時、社長からの信頼されるチャンスが到来します。

ボクの場合は英語がまったく話せませんでした。少しでも話せれば違った形になっていたかも知れませんが、嫌なことでも耐え忍んで粘り強く辞めずに仕事を続けたことが社長から信頼されるきっかけを掴めたのだと思います。

社長から信頼された出来事

いつも情報不足で仕事が先に進められない日々。

何を聞いても話してもスルーなわけで、さすがの「仏のうめ太郎」と言われるボクもその日は考えに考えた結果、ボクのソースコードを見てもらえば分かってもらえるかもと女性ドイツ人の同僚に話しました。

すると、

彼女「このソースコードはあなたが書いたの?」

僕「はい。すべてのコードはボクが書いた。」

彼女「ソースコードが統一されていてとても美しい。好きな書き方だわ。見たところ状況はあなたの方がよく知っているようね。確認してみるわ

ある程度の経験を積んだプログラマであればソースコードを見ただけで書いた人の経験値がわかります。

彼女はボクのコーディングスキルを判断したのか、その後はちゃんと会話してくれるようになりました。

彼女の態度が一変したわけですが、なんと社長の態度も明らかに変わりました。

会話のスピードがボクも聞き取りやすいようにゆっくりと話してくれボクに質問もしてくれるようになった。

やっとコミュニケーションを取ってくれるようになったわけです。

まさに信頼された!と思った瞬間ですね。

相手の能力をみて態度を変える人たち

人は相手の身なりや態度をみて、自分自身の接し方を変えていると言われていますが、現実は違っていました。

いくら日本人は礼儀正しいと言われていても、仕事中はそんなの関係なく自分優先になります。だって定時に帰りたいから。

彼らは自分たちの時間の使い方を、相手の能力を見て判断しているようにも見えました。

入社した時のボクの能力は未知数で英語も話せない。しかし仕事ができるとわかった途端に態度が変わる。

自分の能力を相手に見せつける必要があります。ただそれには英語力が必要。その能力がなかったボクはひたすら我慢して仕事で結果を出すためだけに頑張り続けたわけですが、そうしているとあるときチャンスがやってきたわけです。

たとえどんなに納得ができない理不尽なことがあってもその問題から逃げるようなことはしないほうがいい。

時間が掛かるかも知れないけど、我慢と忍耐は状況を大きく変えてくれるチャンスを手に入れられる可能性を広げてくれるのだと思います。

オーストラリアで永住したい人に幸運を。

ありがとうございました。

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